平成24年12月定例議会 討論

 私は議案第83号、平成24年度高萩市一般会計補正予算(第10号)について、賛成の立場から討論を行います。

 中でもコミュニティFM放送局開局支援事業の予算が計上されており、実質的にはこの補正予算の可否が、コミュニティFM放送局を開局するかしないかの結論になると思います。
 今議会の一般質問や、議案質問等でも、このFMについて賛否が議論されまして、各議員それぞれ持論を展開されたと思います。

 私は一般質問で確認させていただきましたが、このコミュニティFMは、災害時には現在のように災害FMとして100%活用されることが何よりも大事なポイントであると認識しております。一般質問でも7日に起きた地震での災害情報の伝達手段を検証し、防災行政無線やエリアメールと同じように、災害FMの有効性と必要性を立証できたものと思っています。
 それは、防災行政無線とエリアメールとFMとそれぞれその特性や機能によって、果たすべき役割がちがうものと認識できるからです。
 もう一回簡単に情報伝達の流れを言いますと、
 地震前にエリアメールで緊急地震速報が入り、
 その後防災行政無線で避難警報を流し、
 具体的避難情報や災害情報はFMで放送し続けられるということです。
 例えば避難経路である陸橋が崩落した場合、そのことを避難者に伝えるには、FMとエリアメールが適しています。
 同じ情報を伝える媒体としての違いではなくて、伝える内容や適した手段によって、情報を伝える必要があるのであります。ですので、災害FMは絶対必要だと確信しております。
 ここで問題は、そのFMを設備し維持していくためにどれくらいの経費がかかるかということになるわけです。
 その論点がいわゆる費用対効果という検証になるのですが、この費用対効果を考えるときに一番重要なのは、どういう効果を求めるのか。効果というのは目的です。その効果である目的を果たすためにいくらかかるかということでしょう。
 災害FMの目的は市民の命を守るためです。そのために避難情報を放送し、災害情報を放送し、日頃からの防災意識向上のための放送をするのです。
 単純にその災害FMを維持するために年間約2000万円かかるとして、それが高いか安いか。他の議員はよく防災行政無線個別受信機を考えるとき、かかるお金は市民の命を守るためだから優先すべきと言われます。高萩に個別受信機を設置する費用が約4億円だとすると、20年償却で年間約2000万円です。ほぼ同じ額です。
 災害時に市民を守ることで考えれば、費用対効果はほぼ同じであります。

 個別受信機もFMも、年間2000万円かけて命を守る効果を求めているのです。
 ですからFMを反対する方がこの費用対効果の話を持ち出してくるのか全く理解できないのです。費用対効果をどういう計算式で算出しているのかぜひ教えていただきたい。
 ここまでは災害情報伝達手段として話してきましたが、これからが大きな違いになります。今回のコミュニティFMは、災害時は100%災害FMとして機能し、災害時ではない平時においてはコミュニティFMとして機能するということです。つまり、防災のために機能する設備であっても、平時にも活用できるということが、最大のメリットだと思います。付加価値として考えれば100%付加価値ではないでしょうか。
 これまで市では災害対策としていろんな設備を整備してきましたが、私はそのたびに、その設備は災害時だけではなく平時においても活用できれば、一石二鳥でありムダがないと言ってきました。例えば学校に設置した非常電源太陽光発電や防災井戸などです。災害時の備えとして整備するとしても、平時においてもその設備が活用できれば、これは費用対効果を超えて、100%メリットになるわけです。
 災害情報伝達手段として災害FMはほんとに有効で必要なものだという立場で言えば、コミュニティFMは平時活用の一環であり、付加価値であるコミュニティFMにはさほどお金はかからないと思っています。
 これが私の持論です。コミュニティFMの予算を提案する執行部の立場から言えば、私の持論は逆なのかもしれません。
 執行部はお金をかけてコミュニティFMをつくっておけば、災害時にはお金をかけずに災害FMとして活用できると。
 私の考えはお金をかけて災害FMをつくっておけば、お金をかけずに普段はコミュニティFMとして活用できると。まぁかかるお金はいっしょなのです。

 さて、100%付加価値ならば、それだけで儲けものなのですが、どうせならその付加価値からさらなる価値をつくり出せれば、笑いが止まらないほどの儲けです。話が下品になってしまいました。
 つまりそれこそが、今回提案されてきたコミュニティFMの最大目的なんだと思います。地域活性化を目指し、出歩けない市民の方々への地元情報配信、視力障害の方への情報配信や娯楽番組の提供、花貫物産センター売り出し情報、季節ごとの特産物情報、各商店のタイムサービス情報、超地域限定天気情報、などなど。市内の情報は市民の絆を深めます。どう利用するかで費用対効果は変わるのです。

 費用対効果の話でラジオの聴取率を言う方もいますが、聴取率は番組によって上げられるものであるし、そのための番組づくりだと思います。ましてや災害時ではない時の災害FMの聴取率を引っ張り出しても、低いに決まってます。比べること自体がナンセンスであります。
 以上、コミュニティFMの開設によって、災害FMの機能を果たし、災害時の情報伝達手段の拡充ができるとともに、コミュニティFMの役割を最大限に発揮し、地域活性化を推進するセンセーショナルな活躍を期待して、賛成討論といたします。