議員定数を定める条例の一部改正(2名削減)についての賛成討論

 私は議員定数削減について賛成の立場から討論いたします。
 まず、議員定数削減を含む、地方議会改革に対する公明党としての理念から申し上げたいと思います。
 始めに基本的なことから申し上げます。
 いわゆる地方自治は住民が自ら地域の政治・行政を担う「住民自治」を実現することにあります。
 現行制度では首長と議員とを、それぞれ住民の代表として個別に選出する二元代表制を取り、”車の両輪”として共同責任を負う形態になっています。

 ただし、「一人」だけが選ばれる首長は、自治体の長として大きな行政権限を持っているわけでありますが、山梨学院大学教授の江藤俊昭氏が言われるとおり、「首長選挙で公約、ローカル・マニフェストを掲げていたとはいえ、当選した首長の活動を鵜呑みにすることは、住民自治とは無縁」であります。現に先般の鹿児島県阿久根市の竹原前市長のような”首長の暴走”は今後も起こりかねません。

 これに対し、「複数人」選ばれる議員は、首長をはじめ行政を監視し、住民の中にある多様な意見を、行政に反映する重要な役割を持ています。
 そもそも民主主義は合議が基本であります。多様な民意をくみ取り、利害調整・意見統合する合議体は議会だけであります。議会こそ住民自治の体現に不可欠な機関なのであります。
 従って議会機能を縮減し変質させるなどは論外であり、むしろ今日、「地方分権」「地域主権」という大きな時流の中で、自治体行政権限は拡大化し、それに伴い首長権限が肥大化しているだけに、議会のチェック機能強化こそ住民自治実現へ強く要請されているのであります。
 そうしたことを踏まえ、公明党は、全国の地方議員の意見を集約しながら地方議会改革への提言をまとめ、現在全国的に議会改革を推進展開しているところであります。

 その議会改革への提言の中で、議員定数について申し上げます。
 議員定数については、行政改革の観点や住民判断などを踏まえ、「削減に努める」としています。ただし、行政の監視と住民のニーズや声を行政に反映する”パイプ役”として住民代表機能を十分考慮すべきであり、多岐多様な民意を繋ぐパイプを減らすだけの定数削減一辺倒は、議会機能そのものを損ねることになってしまうと考えています。以上、公明党としての理念を簡単に申し上げました。


 さて高萩市にとって適正な議員定数とは何名なのか、極論を言えば、多岐多様な市民の声を行政に反映するには、議員は多い方がいいはずです。しかし議会運営上はあまり増やさない方がいいのも理解できます。
 従って適正な議員定数とは、まずは法によって示された定数を鑑みながら、人口や住民分布、産業構造や地域性、予算規模や財政状況などなど、自治体の規模と特性によって検討されるべきであり、有識者を含めて広く徹底的に議論する必要があったことは明白であります。

 また一方で、この問題は現職議員の問題だけではなく、むしろ今後、市民の誰もが持っている選挙権、被選挙権という非常に大きな権利を制限するという人権の問題なのであります。ですからこの問題に関しては、財政問題だけで決めるべきではなく、より多くの民意を汲み取る議員として検討を重ね、より多数の議員の合意を経て、できれば全会一致による意志決定が望ましいと考えていたものであります。

 高萩市議会はこれまでもずっと間断なく、この問題に対峙し幾度となく定数に関する議論を重ねてきたことに違いはありません。また、各議員がそれぞれの支持者や多くの市民の声を集約してきたんだろうなと思っています。
 そして今、各議員がこの問題に対するいろんな考えがある中で、いよいよ今回、機は熟したのかなと感じるものであります。

 以上、私は単なる議会経費削減が目的ではなく、高萩市にとっての議員定数の適正化という観点から、定数2名削減に賛成することを申し上げ討論といたします。