平成26年6月定例議会 一般質問 

1.草刈り・除草について
  ①現状の問題点
  ②ヤギの活用

2.健康づくりについて
  ①夏の対策
  ②さらなる普及推進


<登壇1回目>

 私は通告してあります、草刈り除草についてと、健康づくりについての、二つのテーマについて質問いたします。
 はじめに、草刈り・除草についてです。今の時期、誰もが思っていると思いますが、草が伸びるのがほんとに早く、草刈りや除草をどうしようかと悩んでいる方も多いはずです。この草刈り除草の問題を掘り下げて考えてみたいと思います。
 市では毎年、市有地や公共施設等の管理経費の中で、草刈り除草の経費を予算に計上しています。この草刈り除草経費は、草が生えなければ必要のない、いわゆる生産的、建設的な経費ではありません。
 市の施策事業や施設計画を立てる段階では、ほとんど見込んでない経費だったはずで、しかしどこからか種が飛んできて、いつの間にか勝手に草が生えてきて、そのまま放っておくとどんどん伸びて、ついには歩く邪魔になり、本来の施設管理の上でも邪魔になり、見通しが悪くなり、交通事故や治安の悪化も心配になります。また、施設環境や景観を悪化させ、有害鳥獣の隠れ蓑になり、草が枯れたときには火災も心配になります。
 やはり市行政としては、草に恨みはないけれども、放ってはおけないので、草刈り除草をしなければならなくなります。

 高萩市ではこの草刈り除草作業の経費として、平成26年度予算においては、グリーンタウンてつな住宅団地の未売却粗造成地に580万円。市道、準用河川、市営住宅敷地に1100万円。共同病院跡地やさくら宇宙公園などの市有地に約300万円。合計約2000万円を見込んでおり、あらためてそんなにかかっているのかと、思ってしまいます。

 しかもこれだけではなく、表面化していない草刈り除草経費、つまり予算化していない作業があると思います。例えば、前市長の行財政健全化計画で実施してきた、市職員による草刈り作業は、調査集計すると、年間160人工分あるそうです。
 また、地元住民にボランティアで作業していただいている分も、かなりあると思います。
 それから、刈った草をリサイクルセンターに持ち込み、最終的には焼却処分する経費は、草刈り除草経費という名目ではなく、じん芥処理費として混入していると思います。
 こうした表面化していない隠れ経費をどう扱うべきか、これはちゃんと整理する必要があると思いますが、どうでしょうか。

 草刈り除草経費というのは本当なら掛けたくない経費ですが、放ってはおけない、しょうがなく掛ける経費なんだと思います。生産的・建設的・投資的経費ではない、しょうがない性質の経費だからこそ、なるべくならお金を掛けないために、ぬかりのないチェックが必要なのではないでしょうか。
 特に予算上表面化していない隠れ経費について、市長の所見を聞きたいと思います。つまり、市職員が160人工分もの草刈り作業をすること、市民ボランティアに手を借りて作業してもらっていること、焼却処分の財源について考えをお聞かせください。
 
 それからこの草刈り除草の問題は、公共施設だけの問題ではなく、民地においても問題になります。周辺住環境への影響から行政としても指導的立場だと思いますが、その取り組みの現状を伺います。

 草刈り除草についての1回目は以上です。


 次に2項目目の健康づくりについて質問いたします。
 初日の市長からの施政経過報告で、市民の健康づくりのための取り組みについて、「健康運動教室」の開講や介護予防の「元気アップ運動教室」等のお話がありました。どちらの事業も昨年度より拡充され、力のいれ具合、重要度がアップされ望ましい方向であると評価するものであります。
 さて今回はこれから迎える夏期の健康づくりを、どのように進めるかという課題について、考えたいと思います。

 夏場の健康づくりの問題は、熱中症の心配と、暑すぎて運動したくないと言う気持ちによって運動不足になりはしまいか。また冷房による体調への影響や、食欲不振、夏ばてなども心配です。
 例年、暑い夏と夏から秋へという季節の変わり目に、健康を害する方が多いように思いますが、この夏場の健康づくりについて、高萩市の取り組みを伺います。
 また、介護予防事業である「元気アップ運動教室」は、各地域の集会所や公民館など、13会場で教室が始まっています。各会場とも毎月3回~4回の教室を実施することになっていて、夏場の7月8月も予定は組まれています。
 この集会所等の暑さ対策の問題は、昨年9月議会から取り上げておりまして、執行部の答弁では、「できることから始めたい、まずはグリーンカーテンから」ということでしたが、現在の取り組み状況を伺います。



<登壇2回目>

 再度伺います。1項目目の草刈り除草についてです。
 ただいま、るる考え方の説明が市長からありました。草刈り経費については、仕方ない経費をしても、重要な経費だということで、ではこれをどうやって取り組んでいくかという課題になると思います。

 さて、草刈りの問題は経費や労力だけではありません。環境負荷という面も考えなくてはなりません。環境に与える影響と言い換えられますが、草刈りはだいたいエンジン刈り払い機を使用して行います。すると二酸化炭素を排出して騒音も出します。これが環境負荷です。
 刈り払い機のエンジンはそんなに大きくはないので、排ガスも大したことないのではと考えがちですが、とりあえず計算してみました。
 排気量23ccのエンジンの刈り払い機を使用した場合、1時間で約1リットルのガソリンを消費します。1リットルのガソリンから排出される二酸化炭素量は重量にして2.36㎏です。ガソリンは比重が0.75ですから、1リットル0.75㎏のガソリンを燃焼させると、なんと重量比で3倍以上の二酸化炭素が排出されるのです。
 1日7時間の作業をすると、刈り払い機1台で16.52㎏になります。
 もし仮に3台で10日間の作業量だとすると495.6㎏、約0.5トンの二酸化炭素を排出します。
 この0.5トンの二酸化炭素の体積は約250㎥になります。だいたいこの議場ぐらいの容量ですね。この計算で行政管理の草刈り除草作業全体から排出される二酸化炭素量はかなりの量になると思われます。ちなみに市では気球温暖化防止のための計画があって、温室効果ガスの排出抑制削減計画があったと思いますが、削減効果の大きいものはガソリン等の燃料の消費を減らすことですよね?二酸化炭素問題は化石燃料が問題なわけですから。
 また、刈り払い機の騒音の問題も、場合によっては迷惑問題として無視することはできません。
 草刈り除草は経費の問題、労力の問題、環境負荷の問題など、本当に馬鹿にできない問題だと思うわけです。

 そこで最近この問題の対策として注目されているのが、ヤギを活用して除草する取り組みです。ヤギに草を食べてもらうということです。私も最近知って、インターネットで調べてみると、これは全国的に注目されていることがわかりました。そして行政ばかりではなく、民間企業においても、ヤギやヒツジによる除草の効果を確認する、実証実験を実施し、レポートをまとめて公開しています。そうした実証を見ますと、ヤギによる除草は非常におもしろい取り組みだと思います。
 まず実例をいくつか簡単に紹介したいと思います。

 一つ目の実例は、沖縄県那覇市です。平成19年当時、市内の土地開発公社用地や市有地の遊休地の管理が行き届かない状態で、うっそうとした雑木林状態であった状況に、一人の市議会議員、翁長俊英議員でありますが、ヤギを活用しヤギとのふれあいゾーンとして情操教育にいかすことや、ヤギ放牧で除草することを提案。翌平成20年度に2頭のヤギを実験的に放牧したところ、除草と情操教育に効果があることを確認でき、次年度にはヤギの管理をそのために結成したボランティア団体「大石公園ヒージャー愛好会」に委託し、それ以降頭数を増やしながら7年目を迎えています。
 平成23年にはそのヤギたちを「メェーメェーやぎさん 草食み隊」と名付けて、市の協働大使を委嘱され、現在は総数31頭で毎日元気に草を食べながら、地元の園児たちとはしゃいでいるそうです。こうして那覇市の除草経費は年間約140万円の節減につながっており、市民にも大変喜ばれているそうです。


 二つ目の実例は、岐阜県美濃加茂市です。
 ヤギ除草を始めたきっかけは、平成23年、「さくら広場」という都市公園に隣接する緑地斜面が、広くて急斜面なので、年2回の除草では草の勢いを押さえることは難しく、これ以上経費は掛けられない上に、いつの間にか外来種であるクズやセイタカアワダチソウなどが繁茂する状態になっていました。
 そんななか、市内の銀杏畑の除草のため、草を食べていたヤギが2匹いることを知り、そこでヤギを管理している業者に相談し、平成23年の夏に試験的にヤギを「さくら広場」緑地につれてきてもらい、草をたべてもらったところ、評判もよく、平成24年度から本格的にヤギ除草として委託し夏場の除草作業をしてもらうこととしました。これが美濃加茂市の「ヤギさん除草隊」のはじまりです。
 読売オンライン、本年4月23日の記事によりますと、
 「岐阜県美濃加茂市は、同市中部台のさくら広場調整池周辺で今年も、雑草をヤギに食べさせる“ヤギの除草隊”をスタートさせた。
 雑草の処理費用を削減できるほか、ヤギのふんが樹木の肥料にもなり、草をはむ光景は癒やしにもなるなどの効果を生み出しているという。
 ヤギの除草は、市が農業生産法人「フルージック」(高山市)と契約を結び、今年で4年目。10月までの週2、3回、午前9時頃から午後4時頃まで約40匹のヤギを放牧し、約1万4000平方メートルを除草しようと試みている。
 トラックの荷台にヤギを乗せて訪れた同法人の渡辺祥二さんは、「ヤギが食べる雑草という認識が市民にも芽生え、ごみのポイ捨ても年々減っています」と話す。通りがかった親子連れも「かわいいね」と見入っている。市土木課によると、昨年は約200万円の経費を削減できたという。」ことです。

 最近始まったところでは、千葉県浦安市が5月から公園の除草に、ヤギを導入し、障害者福祉団体と協力して世話をしているそうであります。浦安市はディズニーランドがある、都市近郊型の住宅密集地ですが、公園の除草に子ヤギを同伴させていることもあり、近隣住民のヤギの評判は、「かわいい、癒やされる」と、人気を集めているそうです。
 他にもたくさんありますが、この辺で割愛したいと思います。
 
 このように全国の自治体から注目されているヤギ除草ですが、民間企業も本格的に研究実験を行い、敷地内の除草など自社活用や、メガソーラー敷地の除草にヤギを導入するところも出てきています。
 またヤギレンタル業として営業を始めた大手企業もあります。インターネットで検索するとほんとに多くの事例が出てきます。こんなのも見つけました。JAいばらきひたちの広報誌5月号。ネットで見つけて昨日もらってきました。これです。この中の8~9ページに…(記事を紹介)

 今回、ヤギを活用して除草することについて、調べたことをまとめてみます。
 ヤギが草を食べると言っても、いったいどれくらい食べるの?ということで、ヤギが1日に食べる草の量は、体重の1割ぐらいで、体重40㎏の中型のヤギでは4㎏ぐらいの草を食べます。
 ヤギは生きている動物だけどどんな動物なの?ということで、ヤギは遠い昔から人間の家畜として飼われていました。人にとても慣れて、おとなしい性格で、病気にになりにくく、とても飼いやすいということです。
 で、ヤギは高萩にはいるの?ということで、日本では戦後、多くの農家で飼われていましたが、近年ではかなり少なくなってしまいました。高萩市内で現在ヤギを飼育しているのは、登録上では2軒だけです。

 ヤギを活用して除草することのメリットとして上げられるのは、1点目としてまず、人間の代わりに草を食べて除草してくれるので、草刈り経費を削減できるということ。草を餌として食べますから、草さえあれば他に餌代が掛かりません。しかもヤギは背丈が高くなるセイタカアワダチソウなどの外来種を好んで食べると言うことで、外来種の駆除に有効であり、休耕地や耕作放棄地の管理除草にも適しています。

 2点目として、ヤギが草を食べる分、刈り払い機を使用しないということで、ガソリン燃料を使用しません。なので、その分そのまま二酸化炭素の排出削減になります。加えて、刈った草の処分が発生しません。
 また、刈り払い機では草刈りが難しい斜面や岩地では、そういう場所こそヤギは得意だそうです。
 それから、刈り払い機の騒音の削減になります。たまにメェ~と鳴きますが刈り払い機のようなけたたましい騒音ではありません。

 3点目として、ヤギが無心に草を食む様子が子供たちの情操教育になり、住民の癒やし効果があるとも報告されています。

 4点目として、このヤギ除草を新たな委託事業にするならば、新たな事業として、市内の産業展開、雇用創出につながるのではと思います。

 5点目として、ヤギの糞は牛や馬のようなものではなく、コロコロした粒状で、臭いも少なく、扱いやすいので良質の肥やしとして活用できるとのことです。

 良さそうなことばかり並べましたが、やはりメリットばかりではありません。ヤギは生き物ですから、飼育という課題ができますので、それなりの専門的協力者が必要です。
 それで先日市内でヤギを飼育している方とお話をしたところ、市の役に立てるなら協力してくれるそうです。
 また、ヤギが逃げ出して、農作物や人に危害を加えないかという心配もありますが、ヤギはほんとにおとなしくて、人になれるので人を襲ったりはしないそうです。
 草地にいさせる方法は、柵を作ったり、ロープでつなげておけますが、そういう費用は掛かります。杭や廃タイヤを利用しロープでつなぐ方法なら、お金はあまり掛けなくても良さそうです。
 事故の発生率は、刈り払い機と比較しても少ないのですが、もしも万が一の時のための損害賠償保険もあり、例えばJA共済ですと、掛け金年額約5000円で、最高5000万円までの保証になります。
 このような課題が多少はありますが、それなりにクリアできるものと思います。

 今回、私はこのヤギ除草についていろいろ調べてきたわけですが、唯一どうにもならない最大の問題点があります。
 それは、ヤギは草を食べて除草するので、とにかく時間が掛かるということです。人が刈り払い機を使用して、一人1日でできる量を、ヤギ1匹では1ヶ月ぐらいかかると思います。なので急場の草刈りには向いていません。当然除草する場所も限定されてくると思います。どうしても時間を短くしたいなら、ヤギを増やすしかありません。
 それでも、この最大の欠点、時間が掛かるということがあっても、ヤギを活用しての除草はメリットは大きいと思えてなりません。どうでしょう?やってみませんか?見解を伺います。



 次に2項目目の健康づくりについてです。
 市の取り組み状況の説明がありました。本当に今まで以上にがんばって取り組んでいると思います。が、思いとしては、もっとできる!という意識を持ち続けることが大事だと思うんです。お金を掛けなくても意識啓蒙はできます。例えば、市長がいろんなところで挨拶をするとき、挨拶の中に必ず「健康づくり」の話を入れ、強引にでも挨拶趣旨に結びつけるのは可能ではないでしょうか。市長ならできます。
 それから、健康づくりに関するニュース、記事を前面に出し、ことあるごとに健康づくりという意識をつくってもらうことで、「健康づくりを意識しないといけないな」から「健康づくりは元気になって楽しいな」という、反省から喜びに変えてこそ、政治というものではないでしょうか。
 健康づくりは次世代への責任という戦いでありますが、健康づくりは今世最大の社会貢献という誇りと言っても過言ではないと思います。
 市長、もっとがんばっていただけますか?