2012年6月定例議会 一般質問
1.高萩市の復興について
2.夏の猛暑対策と電力対策について
3.地域コミュニティについて
<質問要旨>
1.高萩市の復興について
…交付金等を最大限に活かすために
@高萩市防災計画(市総合計画、温暖化防止計画との整合性を)
A防災・減災ニューディールという考え方(別紙資料)
B高萩ブランドの商品化・定着化と地場産業振興センターの必要性
C固定資産等税収に関わる不動産資産の状況と影響と対応
D放射線対策と責任主体者(公私とも同じ被害者ではないか?)
2.夏の猛暑対策と電力対策について
…昨年6月議会での一般質問を受けての市の対応と実践と今年度の施策
@学校関係
A公共施設関係
B市民一般家庭関係
C簡易安価ミストシャワーの提案(お金と電気を使わずに猛暑対策)
3.地域コミュニティについて
…地域コミュニティの大切さを踏まえて、いかに再構築し存続させるか
@常会についての再確認
・成り立ちと経緯
・市行政との関係と役割、法的根拠の有無、組織図化は可能か?
・常会の現状(加入率と地域性の傾向)
A常会加入者と未加入者の公平性
・常会費の負担(各寄付金と電気料金)
・地域草刈り清掃
・地域行事の参加権
・他地域団体との親交
B各種寄付金負担の意味
・社協、消防団、歳末助け合い、赤い羽根募金への寄付
・防犯灯等の電気料金
C社会福祉協議会の役割と負担と今後の課題
・常会が弱体化が進むと地域福祉を担う社協の負担が大きくなる懸念
・ボランティアの限界と対策
D現実に適ったコミュニティの構成と構築
・市民全体の公平性を第一義とすること
・一律的構成組織にすることの困難さ
・ゴミステーショングループ割、仲間割、未加入者割などの設定
<1回目登壇>
私は通告してあります3項目について質問いたします。
1項目目、高萩市の復興については、昨年3.11の大震災の被害からの復興ということですが、現在は復興の基盤となる復旧が市の喫緊の課題、事業として進めております。復興ということは、復旧の上に進化を加えることではないかと思います。つまり復興とは目指すべきビジョンがあり、それに向けて事業を展開してゆくことだと思うわけです。
高萩市にとって目指すべきビジョンとは、高萩市総合計画に示されたビジョンに他なりません。さらに、東日本大震災の教訓から、災害の想定を見直しての、災害に強いまちづくりをオーバーラップさせながら取り組むべきビジョンだと思います。
市の復興計画はそうしたスタンスで計画されるべきであり、今後の高萩市にとって重大な方向付けとなるに違いありません。
さて、現在、市ではさまざまな復旧工事を進めながら、並行して防災対策として施設整備や体制構築や備品配置などを逐次進めています。やるべき事はやるという意味ではこうした防災対策を進めることに意義はありませんが、ただ物事は計画的に進めないと、総合計画から逸脱する事業だったり、二度手間の重複工事になったりなど、ムダな工事になってしまわないかと危惧されるのであります。
そこで1点目の質問として伺いますが、未だに示されない復興計画はどうなっているのでしょうか、
現在進めている防災対策のための事業は、今年度中に仕上がるとする防災計画との整合性があるのでしょうか、
そしてこの防災計画と復興計画は市総合計画のビジョンを踏襲し、地球温暖化防止計画上においても寄与できる施策になっているのかどうか、
市のビジョンとして一貫性があり各関係計画との整合性が図られているのかどうかお答え下さい。
2点目は、「防災・減災ニューディール」という考え方についてです。
この「防災・減災ニューディール」というのは公明党が今年の2月に政府に対して提言した政策で、防災対策と経済対策を包括させる政策です。
現在国がおかれた社会状況は、長引く不況と経済危機の上に震災によるダメージが加わり、先が見えない不安な状況であります。こうした中にあっても政府与党は、積極的な政策を打ち出すこともなく、ただ復興景気だよりの受け身の構えにしか見えません。そこで公明党はまず現状課題を明確に整理し、その打開策を打ち出しました。それが「防災・減災ニューディール」政策であります。
現在の国の課題としては、まず災害に強いまちづくり、防災対策です。その社会資本となるのは、老朽化し耐用年数を超えたものや迎えている公共施設やインフラを、災害に崩れないように補強や建て替え改築しなければなりません。
老朽化した社会資本はいずれ直さなければなりません。脱原発依存のエネルギー対策はどうするのか。
だったら今集中的に投資してはどうか。具体的な投資額は毎年10兆円、10年間で100兆円規模で考えています。人口割りの単純計算ですが、高萩市には年23億円×10年間規模になります。財源は新たに償還25年の防災・減災ニューディール債をつくり、民間資本も投入するPFI等の仕組みにすると考えています。
この「防災・減災ニューディール」を実施することによって、まずは防災対策が間違いなく進みます。そして老朽化した社会資本が災害時でも安心できる社会資本になります。
また、巨額な公共投資は需要が増えGDPを毎年2%ずつ押し上げ、100万人の雇用を創出すると試算しています。もちろん税収も増え、社会に活気が出てきます。結果、日本はまた国際的信用を取り戻すようになるはずです。
この政策は単なる借金をつくる赤字国債ではなく、確実に人の命と生活を守る防災のための社会資本が残りますので、インフラとしては後生に恥じないものとなるはずです。
「防災・減災ニューディール」とはこういう考え方ですが、この考え方は国の政策だけではなく、高萩市でも通用できると思われます。
今進めている防災対策事業や復旧事業などの事業を市の防災対策だけに終わらせず、景気経済策、地域活性化策に結びつけ、高萩市の復興を成し遂げる大チャンスにできると思いますが、見解を伺います。
3点目は、復興を目指してゆく上で、防災関係以外の事業も重要です。その中でも市長も力を入れて取り組んでいる、「高萩ブランド」の発展・定着もはずせないと思います。
そう考えると「高萩ブランド」の新たな商品開発や商品製品の許認可取得、そして量産体制づくりなどをバックアップする、地場産業振興センターの活用が求められていると思いますが、地場産業振興センターの必要性の見解と、現状、高萩ブランド推進においてはどのように対応しているのか伺います。
4点目、復興とは、まちとしての価値を高める事とも言えると思います。そこで確認したいと思いますが、震災後、津波警戒地域の土地価格の落ち込みとか、断層箇所の表面化とか、放射能汚染とか、建物の損傷とかで固定資産の価値が下がってしまうのではないかと心配されています。そこで高萩市の固定資産など税収に関わる不動産資産の状況とその影響、今後の対策を伺います。
5点目は、放射線対策についてです。まちとしての価値を高めるには、最低限、放射線を除染しなければなりません。除染なくして復興はあり得ないと言っても過言ではないと思います。
市は除染実施計画を策定し国の認可を得ましたが、私はどうしても納得できません。除染実施計画では、公共施設は市で除染工事を行い、その費用は国が出すことになりますが、民地は市民が自分で除染して自分の敷地内に保管し、かかった経費は自腹だということですね。まずこの除染実施計画について内容を確認します。公共地も民地も同じ被害者ではないでしょうか?なぜ自己負担が生じるのですか?国はこの件についてどういう説明をしているのかお答え下さい。
2項目目の夏の猛暑対策と電力対策について質問いたします。
私はちょうど1年前の6月議会で「夏を乗り越えるために」と題して一般質問を行いました。
その時にいろいろ提案させていただきましたが、今回も紹介したいと思います。
昨年も言いましたが暑さ対策のほとんどは日本古来からの先人の知恵でございます。
1点目は、日除けをつくり直射日光を避ける。庇とかすだれ、よしず、また緑のカーテン、樹木、この生きた植物の力はなかなか優れたものがあります。
2点目は、風通しを良くする。風の通り道を考えて、また扇風機、うちわ、扇子、部屋の中の空気を循環させる、そういう風は体感温度を非常に左右します
3点目は、水の気化熱を利用する。これは打ち水、水まき、散水、携帯用霧吹きやミストシャワー、濡れタオル、直接衣服を濡らす、これは本当に水の気化熱というのは効果絶大です。
4点目としては直接体を冷やす。水風呂、シャワー、冷たいものを食べたり飲んだり、これは体を冷やす応急措置とも言えます。
こうした暑さ対策の実施状況と所感を聞かせていただきたいと思います。できれば学校関係、公共施設関係、企業関係、一般家庭関係というふうに、対象を立てわけてお願いいたします。
2点目ですが、昨年は電力不足が懸念され非常時の臨時電源対策もありましたし、電力不足対策として前年比マイナス15%の節電が求められました。今年は原発が完全停止状態となり、電力不足は昨年以上になっています。東電管内では昨年の実績から昨年同様マイナス15%の節電で乗り切れると試算しているようですが、万が一のことも念頭に置いて、昨年以上の節電を目指すべきではないかと思っています。他自治体では「節電実行計画」を策定し、ことこまかに取り組んでいると聞いています。今年度の高萩市の節電に関する取り組みを伺います。
3項目目の地域コミュニティについて質問いたします。この質問は前回3月議会でも取り上げましたが、コミュニティの大切さや必要性は認めながらも、どうすれば理想的なコミュニティにできるかは、なかなか難しい問題であると再認識させられました。
やはり難しい問題の解決には遠回りのように感じられるかも知れませんが、一つ一つの問題を浮き彫りにして、その問題の性質を見極め、きっちり整理して、ひとつひとつ答えを出した上で、再構築した方がいいと思います。今回はそのようなスタンスで質問したいと思います。
高萩市の場合、これまで地域コミュニティとして定着していたのはいわゆる「常会」でしたので、常会に関わる話を進めたいと思います。
1点目の質問は、常会についての再確認ですが、そもそも常会はどのようにしてつくられ、運営されてきたのか、成り立ちと経緯、市行政との関係と行政的役割、常会の法的根拠の有無、また、常会の現状として加入率と地域性をお知らせ下さい。
1回目は以上でございます。
<2回目登壇>
再度質問いたします。
1項目目の高萩市の復興について、いろいろ今お答えがあったわけですが、やはり計画というものがいかに大事かという視点を、私は言いたいと思っております。計画がちゃんと見えていれば、その計画に基づいた事業仕分けもチェックできると思うんですね。計画というのは本当に大事なことだと思っています。
また、市長に確認したいと思いますが、目指すべき復興というのは、市の総合計画のビジョンと重なるものであると考えてよろしいかどうか確認いたします。
放射線に関しては、やはり私はどうしても納得できないんで、1回国に確かめてもらえませんか。民地、個人の除染はどうしてお金が出せないのか確かめて下さい。後で特別委員会なりで報告いただきたいと思います。
原発の再稼働ということが非常に今話題になっておりますが、この高萩市というのは、それ以前に放射線の被害を受けている。現実に今受けている状態なんです。これを何とかしなくては農畜産物もなかなか売れないし、観光客も増えないと思います。本当に除染を進めて、「除染終わりましたよ」って、対外的に宣言したいと思うわけでございますが、市長の考えをお聞きいたします。
2項目目の夏の猛暑対策と電力対策についてでございます。細かくご答弁ありがとうございました。
実は先ほど申し上げましたが、夏の節電計画ということで、これは群馬県桐生市の計画を持ってきました。6ページぐらいで題名が「2012年度 夏の節電行動計画」として緻密に練られています。是非とも高萩市でも計画を立てて目に見える形にしていただければと思いますが見解を伺います。
3項目目の地域コミュニティついて次の質問に移りたいと思います。
今、常会加入率が示されました。現在で72.3%、ここで問題が出てきます。どうして未加入者や脱退者ができてしまうのか考えなければなりません。そこで常会加入者と未加入者において、どのような違いがあるか見てみると、まず、加入者の負担としてあげられるものには、常会費の負担、地域の草刈り清掃、常会役員の順繰り就任などがあります。
逆に権利としてあるものには、地域行事への参加や他の地域団体との交流や親交などが考えられます。
このことは加入者と未加入者の差であると言うことができ、強いて言えば、高萩市民としての公平性が保たれてないと思うわけです。市はどのように認識しておるのか見解を伺います。
3点目の質問ですが、公平性を考える上で一番わかりやすい常会費の使途について考えてみたいと思います。
常会費の使途は常会によって違いはあるかも知れませんが、多くの常会は自らの運営費の他、地域行事の参加費や各種寄付金の納付と地域防犯灯の電気料ではないでしょうか。常会運営費と行事参加費は普通に当たり前の経費ですから、問題はありません。次の各種寄付金と防犯灯電気料については、一度その意味を確認したほうがいいのではないかということでお聞きしますが、常会費から支出されている社会福祉協議会への寄付、歳末助け合い寄付、赤い羽根募金寄付、地域消防団への寄付、の意味を教えていただけないでしょうか?また、防犯灯電気料負担の考え方を伺います。
2回目は以上でございます。
<3回目登壇>
最後の登壇になります。1項目目の高萩市の復興について提案したいと思います。
まず防災計画の中で是非検討していただきたいのが、消防隊の特別機動部隊として「バイク隊」を設置できないか。緊急時、災害時、いち早く現場に駆けつけ、人命救助に当たる任務と、その機動力を活かして情報収集や少量ながらも物資運搬をする任務などができると思われます。どうでしょうか?見解をお聞かせ下さい。
2項目目の猛暑対策と電力対策についても提案したいと思います。
昨年は実施できなかったミストシャワー、今日は実物を持って参りました。議長の許しを得て広げたいと思います。(実物紹介)これは私が買ったんですけど3000円で。電力はいりません。水道の蛇口の水圧で出せます。
取手市は昨年にすべての小中学校に設置したところ、その涼しさに子どもたちが大喜びしたということであります。熱いときのオアシス効果で勉強意欲も回復するのではないでしょうか。ぜひご検討をお願いいたします。
それから、節電策として注目されるのが省電力照明器具の採用です。小型照明はLED化するのと、体育館やここの照明のように水銀灯はLVD照明というものがあります。このLVD照明は消費電力はLEDとほぼ同じくらい、つまり水銀灯と比べると同じ明るさで3分の1程度の電気使用量になります。しかも発熱量が少ない。これも3分の1程度になるわけで、当然エアコンの効きが変わってまいります。多少値段は張りますが、だいたい2年で元は取れるということですのでご検討いただければと思います。
節電関係に関してですが、ちなみに私の自宅はこの4月から5月にかけて、ほとんどの照明をLEDに交換しました。
うちの電気料ですが、4月分が14,792円でしたが、5月分は11,420円、6月分はなんと6,111円に下がりました。マイナス8,681円、58.7%の削減です。照明器具だけの減額ではないかもしれませんが、少なくなったのは間違いありません。
ぜひ検討して下さい。ぜひ検討していただきたいと思います。試算では2年あれば十分元は取れる計算になります。
3項目目の地域コミュニティについて、4点目の質問になります。常会組織が衰弱してゆくと、地域でのお互いの助け合いや見守りなどの共助の分野が薄れる懸念が出てきます。そしてその役割は社会福祉協議会などのボランティアに頼らざるを得ないようになります。すでに現代社会においては核家族化、共働き、高齢化等によって地域内の昼間人口が減ってもいますし、高齢者世帯の見守りは専ら社協に任せてしまってきてはいないでしょうか。
今後ますます高齢化が進み、常会が衰退すれば社協の負担が止めどなく増えていってしまい、ついには抱えきれないほどの負担になることは明らかだと思います。
社協の活動メンバーはボランティアです。そもそもボランティアは一般市民の善意であって、社会的負担を強いられる義務はありません。ましてや行政がその業務をボランティアに頼るようになっては本末転倒であります。行政業務を委託するのであれば、それに見合う報酬を支払うのは当然の義務であります。
今、社協をはじめとするボランティアというものを考え直す時期が来ているのかも知れません。共助というのはボランティア頼みということではなくて、地域の助け合いということではないでしょうか。
こう考えてきますと、やはり、地域コミュニティがいかに大切なことであって、なくてはならないものであると思うわけです。
社協の負担の増大とボランティアの限界について所感を伺います。
最後に5点目の質問になります。地域コミュニティが必要であるならば、常会という形にこだわらないで、考えるべきだと思います。今執行部では地域コミュニティの今後について調査検討が始まっていると聞いています。私はこれから構成構築される地域コミュニティについて提言しておきたいと思います。
一つ目は、市民全体の公平性を第一義とすること。
二つ目は、一律的組織構成にはこだわらないこと。つまり、組織割については、地域を軸とした横割りと、地域を越えた人間関係を軸とする縦割りを柔軟に活かしてゆくこと。
三つ目は、既存組織を活用し広げること。例えば市民全世帯が所属しているゴミステーションのグループ、すでに組織されている仲間のグループ、PTAや市民団体等の準公的組織、などなど、いろいろたくさんあると思います。そして絶対に忘れてはならないことは、どこの団体にも所属しない未加入者の対応を考えることでございます。以上、所感をお伺いし、今回の私の一般質問といたします。