一般質問 平成21年6月定例会

1.高萩市のグリーン・ニューディールについて
 <日本版グリーン・ニューディールが温暖化対策と
       財政健全化と経済対策に密接に関連することについて>

@緑のカーテン、クールアースデイの実績と今年度の取り組みについて
A太陽光発電等の新エネルギーへの期待と支援について
B公用車のエコカー化について
C公共地の緑化事業や緑地管理事業等への雇用について
Dその他(海岸漂着物、不法投棄物等の回収除去処理など)


2.男女共同参画社会について
 <人権感覚の養成こそが安心安全社会の根底>

@5年前と比較して何がどう変わったのか。取り組みと実績を問う
A今後の課題と方向性
B性別による特有の病気に対する異性者の理解と協力のために


3.リサイクル計画について
 <廃棄物から資源へ、徹底していく気概を>

@ゴミという概念からの脱却こそ進むべき道(行政視察を踏まえて)
Aリサイクル計画(ゴミ処理計画)の策定は進んでいるのか、現況確認


<登壇1回目>

 私は通告いたしました3項目について質問いたします。
 1項目目、高萩市のグリーン・ニューディールについて質問いたします。

 これは、環境というテーマを切り口とした、経済・社会構造の変革を通じて、あるべき日本の姿を提示し、活力ある日本を取り戻すきっかけとするものとして、今年3月に斉藤てつお環境大臣が「緑の経済と社会の変革」という政策を発表しました。その骨格に基づき、具体案をとりまとめたものがグリーン・ニューディールであります。
 その内容は、低炭素社会のみならず、循環型社会、自然共生社会の実現にも資する幅広いものとなっています。
 また、我が国が世界最高水準の技術をもつ環境分野への戦略的な投資を、経済成長や雇用創出につなげていくべく、環境先進国としてふさわしい取組を、関係省庁とも連携しつつ強力に進めていくというものであります。

 もう少しわかりやすく言いますと、地球温暖化対策等の国全体として重要な環境問題を解決するためには、地域の取組が不可欠であることから、各種の法令等に基づき、地方公共団体に対して、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画や、廃棄物処理法に基づく都道府県廃棄物処理計画及び一般廃棄物処理計画など、様々な計画の策定と取組の推進が規定され、こうした取組を地域が確実に実施し、当面の雇用創出と中長期的に持続可能な地域経済社会の構築につなげることを目的として、国から集中的に財政支援を行うというものであります。
 つまり、高萩市が環境問題と地域経済活性化と雇用創出のために、国の支援を受けながら何をやるのか。という問題に帰着するわけであります。そしてこのグリーン・ニューディールが高萩市の財政健全化に寄与する効果は、大変大きいものであると確信するものでございます。

 そこで4点伺います。
 1点目、昨年実施いたしました「緑のカーテン」と「クールアースディ」の実績データをもとに今年度の取り組みについて伺います。

 2点目、グリーン・ニューディールの鍵を握ると言っても過言ではない、「太陽光発電」等の新エネルギーへの期待と導入計画、導入支援について考えを伺います。

 3点目、公用車のエコカー導入の考えを伺います。

 4点目、公共地の緑化事業や緑地管理事業への雇用創出についての考えを伺います。



 2項目目、男女共同参画社会について2点質問いたします。
 1点目、男女共同参画社会実現に向け、行動計画が策定された5年前と比較して何がどう変わったのか。取り組みと実績をわかりやすくお知らせください。また、今後の課題と方向性について所見を伺います。

 2点目、性別による特有の病気に対する理解と協力を育むことは、大変重要なことと考えます。どういうことか。
 たとえば、女性特有のがん検診を推進しようとする取り組みがなされてきておりますが、まだまだ受診率が十分とはいえません。国の支援策も、検診料補助に加えて、経済危機対策の一環として、検診の無料クーポン券を発行するために準備を進めております。
 しかし私はそうした費用の面での支援も大切ではありますが、加えて精神的な支援も必要ではないかと思うのであります。つまり男性パートナーの理解と後押しがあれば、受診率向上につながるのではないかと思えてなりません。
 男女共同参画社会の理念の上でも、男女のパートナーシップを抜きに考えることはナンセンスであり、目指す社会が、男女の協力により健康と安心を基礎とすることは、何よりの盤石な社会構築になることに違いありません。市長の見解を伺います。



 3項目目、リサイクル計画について質問いたします。
 文教厚生委員会では先月12日から14日にかけて、リサイクルセンターと新エネルギー施設の先進地の行政視察研修を行ってきました。
 視察先は山梨県富士吉田市と静岡県掛川市の2カ所です。
 私は今回の視察で改めて新鮮な衝撃を覚えました。
 まず、簡単に紹介いたします。はじめに富士吉田市の環境美化センターですが、日量170トンの焼却処理施設にプラズマ式灰溶融炉と蒸気タービン発電機をセットし、1900キロワットを発電するものです。
 この発電量はなんと一般住宅4000件分だそうで、高萩市の世帯数が約12000件ですから、その3分の1の件数分を廃棄物の焼却によって発電してしまうことになります。これはもはやゴミではなく燃料と考えるべきものでした。
 そしてその発電した電気によって施設の電気を賄うことはもちろん、プラズマ式灰溶融炉を稼働し、灰をスラグに換えアスファルトやコンクリート製品の資材として流用しております。この焼却施設からは埋め立て処分される廃棄物はほとんど出されていません。
 次に掛川市のガス化溶融施設はさらにおどろきすごいものでした。日量140トンのキルン炉で可燃物を炭化させ、カーボンパウダーにしまして、それを燃料として効率よく熱源にしながら高温燃焼溶融炉によりスラグを生成させています。この工程上に灰という存在はありません。そしてここでも蒸気タービン発電機を設置し1700キロワット、約3500件分の発電をしております。生成されたスラグはもちろん資材として活用されています。
 今回のこの二つの施設に共通したテーマは「ゴミをゴミとして考えるのではなく、資源として考える」ということでありました。
 私は議員になってからずっと循環型社会の形成をテーマにゴミゼロのための政策を提言し続けてきました。ゴミをいかにリサイクルしていけるか、いわばリサイクルとはゴミ処理の一部一端としてとらえ、考えてきたと言うことを、今回の視察を通して思い知ったのであります。
 おそらく10年前に循環型社会が言われるようになって、その理念は理解してきたつもりでしたが、今回の視察を通して自身の理解不足と慢心とを思い知らされたと同時に、高萩市のこれまでのゴミ処理論議の浅はかさを痛感いたしました。
 時代は全く変わりました。ゴミをどう処理していくかという問題は過去の考え方であります。現在は廃棄物をリサイクルするためにどうするかというスタンスで考えなければなりません。ですから高萩市の命題である廃棄物処理の考え方を、ゴミ処理として考えるのではなく、リサイクル計画として考えるべきであると思います。
 極論を言えばゴミという言葉を廃することから始める、ゴミという言葉を使わない、そこまで徹底した気概に立つことだと思います。
 市長の所見とリサイクル計画の現況を伺います。