一般質問0606

1,環境問題について
2,安全対策について
3,少子社会に向けて


 先に通告いたしました3項目について質問いたします。

1,環境問題について

 1項目目の環境問題について質問いたします。
 環境問題について質問するのは今回で8回目になります。前回質問したのは平成16年12月議会でした。
 そのときは主に地球温暖化問題を取り上げ質問し、環境問題はこの地球上で生きている限り、誰人なりとも避けては通れない問題であることを確認する内容だったと思います。

 今議会での他の議員の質問でも表されているとおり、現在の高萩市の重要課題の一つにはゴミ処理問題があると思いますが、私はゴミ処理を語る上で最も肝心なことは、ゴミをどうするかという観点からではなく、環境問題の上からその一部としてのゴミ処理はこうあるべきではないか、という観点だと信じてきました。そして、ずっと一貫して提言してきたつもりです。
 今回もまさに環境問題という人類根源的観点に立つ意識を持って登壇しておりますので、ご理解頂けたら幸いでございます。

 何大それたこと言ってるんだと思われるかもしれませんが、ご存じの通り地球温暖化をはじめとする環境問題は、世界のどこか知らないところで起きてる問題ではなく、間違いなく地球全体が抱えてしまった問題です。
 とりわけ地球温暖化を招いている、温室効果ガスを排出してきた先進国である日本の責任は重大で、この高萩市に暮らしている私たちの問題でもあるです。
 そういう観点で質問を進めますのでよろしくお願いいたします。


 まず、3月定例議会と4月に行われた臨時議会の中で、数人の議員からゴミ処理に関する質問がなされ、その中でもプラスチックの分別に関して、「分別する理由・目的には価値が必要で、その価値はお金に換算して考えるもの」と、言われた方がいたわけですが、私はそれを聞いて、なるほどその通りかもしれないと大変勉強になったわけです。
 で、私も意見を言うからにはお金に換算してみようと思いまして、やってみました。

 何を試算したかと言いますと、
一つは、地球温暖化によって及ぼされる被害額はいったいいくらになるのかという点であります。
 もう一つは、プラスチックを資源として分別しないで、ゴミとしたときの環境負荷がいくらぐらいになるのかという点です。必ずそうなるという数字ではなく、あくまで仮定の上での試算ということで、参考として聞いて頂ければと思います。

 まず、地球温暖化による被害額はどのくらいになるのかということですが、平成16年12月議会で私が行った一般質問の中で、地球温暖化の想定されると言われている影響を述べましたが、その金額を計算しました。いくつかの項目がありますのでそれぞれ分けて説明します。

 一つめは、岡山県地球温暖化防止行動計画によると、海面が上昇することによって砂浜は約90%が消失します。
 また、海面が1m上昇すると、全国で2,339kuの土地と410万人が平均満潮位以下に位置することとなり、これによって影響を受ける資産は109兆円になると予測されています。
 また、安全性を確保するため、堤防のかさ上げなどの対策には11兆円の資金が必要となると推計されています。
 合計120兆円です。これは海面が1m上昇する約100年後の全国の数字ですので、1年あたり1兆2000億円になります。さらに高萩市に換算してみました。
 いろんな条件は省いて、単純に人口割りで換算すると平成18年5月の日本の人口が約1億2760万人、高萩市が32,600人で計算すると、3億658万2千円になります。
 端数を切り捨てても高萩市の1年間の被害損失は約3億円になる計算です。1人あたり年間9200円です。


 二つめは、地球温暖化が原因とされる異常気象による被害ですが、予測される被害は、降雨環境の変化によって、雨の降る場所が変わり、降雨量は多いか少ないかの両極端に分化すると言われています。その結果、異常高温、干ばつ、洪水などの災害が多発するようになります。近年は渇水や集中豪雨などが何度か発生していますが、今後はさらに規模が大きくなることが予測されます。

 1例を挙げて試算してみました。
 平成16年に発生した水害による被害額が「水害統計(注1)」史上最高額にのぼることが、国土交通省の18年5月8日付けの発表であきらかになりました。
 平成16年には、台風23号や新潟・福島豪雨が発生したほか、気象統計開始以降最多の10個の台風が上陸。全国各地で水害が多発しました。
 今回公表された平成16年の「水害統計」は、水害による死傷者数が約3,200名、被災建物棟数が約20万棟に上ったことを報告するとともに、各都道府県、市区町村からの報告をもとに、建物、家庭用品、事業所資産、公共土木施設、公益事業の各被害額を算出しています。
 算定結果によると、平成16年の全国の水害被害額は約2兆183億円にのぼり、これまでの最高額であった昭和57年の約1兆3,883億円を大きく上回りました。細かい内訳は省きまして、今後100年間のうち同程度の災害が20回起こると想定して、先ほどのように高萩市に換算してみると、1年間の被害額は約1億円になります。一人あたり3060円です。
 林野被害を加えると4790円になります。

 (水害被害額の内訳は建物、家庭用品、事業所資産などの一般資産被害額が約1兆3,405億円(66.4%)、公共土木施設の被害額が約6,597億円(32.7%)、公益事業の被害額が181億円(0.9%)。
 災害別では、台風23号による被害額が約7,709億円、新潟・福島豪雨や福井豪雨を含む梅雨前線豪雨による被害額が約4,563億円、台風16号による被害額が約2,887億円とされている。
 なお、林野庁もこれらの豪雨などによる林野被害額が約3,400億円にのぼることを17年1月に公表している。)


 三つ目は温暖化による第1次産業の変化による影響額と熱射病や疫病による医療費の増大額、さらに、輸入に頼る食物の値上げや収穫の危機による負担増なども加わることは明白です。

 大まかではありますが、以上の市民一人の損害負担額を合計すると年間約14,000円プラスアルファになり、すでに5年前から負担が始まっている計算なのです。5人家族で70000円です。これが毎年100年間続きます。日本に住む人は全員負担しなければなりません。今後人口が減っていけばさらに個人負担は大きくなり、地球温暖化を防止しなければ、間違いなく私たち一人一人の損害額・負担額は増える一方なのです。



 次にプラスチック類を資源として分別しないでゴミとして処理する場合の環境負荷は、分別したときと比べてどうかという点で試算してみました。
 プラスチック類を資源としないときの処理方法は、不燃ゴミとして埋め立てるか、燃えるゴミとして焼却するかに分かれますので、2パターンを考えます。
 また、処理経費は含めずに、純粋に損得で考えてみました。
 その理由は、今の時代リサイクルが主流になっていることは間違いないと思います。であるならば、処理経費は受益者負担でなければなりません。よって、リサイクルを積極的に取り組む人は自己負担額が少なくなり、リサイクルを軽く見て、ゴミとして排出する方は負担が大きくて当たり前だからです。
 そういうわけですから処理経費は切り捨てて話を進めます。

 まず、埋め立てる場合ですが、この場合は焼却しませんので温室効果ガスである二酸化炭素は排出されません。が、もともとプラスチック類は石油から作られます。
 1トンのプラスチックを作るためには、原料として1.1〜1.6トンの石油が必要です。プラスチックの種類によって変わりますが概ね1.3トンとしましょう。
 そして原料の他に石油をプラスチック生成加工するエネルギーが必要になります。そのエネルギー量を石油に換算すると、約2トンの石油が必要になり合計3.3トンの石油で1トンのプラスチックが作られることになります。つまり、1トンのプラスチックをゴミとして埋めてしまうことは、3.3トンの石油を埋めてしまうことになります。原油価格に直すと約13万円ぐらいでしょう。
 で、埋められたプラスチックからは二酸化炭素は出されませんが、ただ埋めてしまうだけなので、資源として使える分の量を新たに石油から賄(まかな)わなければなりません。例えば、資源として廃プラを使うなら、その分の石油は使わなくて済むわけです。
 併せて、埋め立て処分場の規模や寿命を大きく左右することを考えると1トンあたりの環境負荷の金額は約15万円になります。その上で高萩市のプラスチック系資源ゴミ量1ヶ月50トンとして換算してみると、年間約9000万円になり、プラスチック類を資源として分別しないで埋めてしまえば、一人あたり年間2760円損することになります。今の社会情勢では原油価格が高くなればなるほど損する額が大きくなります。

 資源として使えるものを使わないのは、損をしてることではないかということです。
 補足として言っておかなければなりませんが、市民一人あたりの負担額や損得額は直接的な負担額であろうが、間接的生活費の負担増であろうが出費としては同じなんです。この感覚が生活者の感覚なんです。


 さてもう一つは焼却する場合ですが、計算が難しい問題だと思います。単に焼却するだけでは埋め立てたときの損に加えて、地球温暖化を進めることになりますので、金額にすると一人あたり年間3320円ぐらいの損になると思います。
 最近では単純に焼却する焼却施設は時代遅れであり、確実に無くなりつつあります。助燃剤や温水利用の燃料としての考え方でリサイクルするのは、当たり前になっていますので、焼却というのはリサイクルを兼ねたものと想定して試算します。
 それを高萩市に換算すると、計算が難しいのですけれども、燃料として石油の使用量が減るものと計算すれば、年間約5500万円になり、一人あたり年間1690円の損になります。

 廃プラスチックを資源として分別し再利用することは、その分の石油に相当分の得をすることになります。しかも燃やさないのであれば温室効果ガスの二酸化炭素の排出量は約1/4になるのです。


 長々と説明してきましたが、私が言いたいことは、ゴミ処理ゴミ処理と言いますけれど、環境問題のうち、とりわけ地球温暖化防止対策を進めることこそ、最大の価値を生むものであるということです。ゴミ処理は環境問題のただの一部のことでしかないと思います。
 現在の高萩市が将来にわたっての最重要課題は単なるゴミ処理ではなく、環境問題解消・地球温暖化防止に向け、制度やシステムを確立することであると申し上げたいと思います。そうすれば、ゴミ処理に対する哲学も確固たるものになるはずだと思います。



 文教厚生委員会では先月5月16日から18日まで熊本県水俣市と宇土市の環境行政に関する視察をして参りました。両市とも環境問題にかける取り組みはすばらしいものでした。まさしく、環境行政の一環としてゴミ処理を行っている、そしてそれが理想的な形でできていると思います。本当に感動しました。

 そこで質問いたします。

 1点目、高萩市の地球温暖化防止対策のための「高萩市地球温暖化対策実行計画書」は現在でも実行力があるのかないのかお答えください。もしあるとすれば、現在までの取り組み状況と目標達成率を示しください。

 2点目、ISO14001等、環境マネジメントに対する取り組み、または、所見をお聞かせください。

 3点目、地球温暖化対策やゴミ処理計画を進めるための考え方となる「高萩市環境基本条例」を制定することについて、考えをお聞かせください。

 4点目、水俣市はエコタウン事業に取り組み、それなりの実績を上げていると思います。エコタウン事業に対する所見を伺います。とりあえずこの4点お願いします。



 2項目目の安全対策について質問いたします。
 1点目は昨年6月議会で質問しました、市道206号線の秋山中学校入口から地蔵前まで約600bの区間の交通安全対策について、1年経過しましたので、この1年間で行った対策内容とその効果について、事故件数を比較した実績で評価して下さい。

 2点目は県道日立いわき線と望海ゴルフ練習場前の団地の出入り口の交差点について質問いたします。
 ここはかねてから事故が絶えず起きている場所で、県道を走る車はスピードも出ていますので、危険箇所の中でも重大事故につながる箇所でもあります。過去には通学児童が車にはねられたこともあると聞いています。危険要因には県道西側には歩道がないこと、横断歩道もないこと、ゴミ集積所は団地の反対側にあり道路横断を余儀なくされること、安全設備はカーブミラーひとつであります。
 是非とも安全対策を講じて欲しいわけですが、これまで地元の住人から要望はなかったのか、どのような調査をしたのかお聞かせ下さい。そしてまず、朝子どもたちが通学する様子を確認して下さい。高齢者がゴミを出す様子を確認して下さい。どうでしょうか?



 3項目目の少子化社会に向けて質問いたします。
 1点目は次世代育成支援対策行動計画に則して進められる施策について今後の取り組みとタイムスケジュールをお知らせ下さい。
 
 2点目は少子社会に向けての市長のビジョンを伺います。