一般質問0412

1,地球温暖化対策と循環型社会形成推進について
2,平成17年度予算編成について

<登壇1回目>
1点目,地球温暖化対策と循環型社会形成推進について質問致します。
 まず、地球温暖化とはどういうものか。環境省と全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)の資料を要約して簡単におさらいしたいと思います。

 18世紀後半頃から、産業の発展に伴い人類は石炭や石油などを大量に消費するようになり、大気中の温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素の量は200年前と比べ30%程増加しました。これからも人類が同じような活動を続けるとすれば、2100年には二酸化炭素濃度は現在の2倍以上になり、その結果、地球の平均気温は今より1.4度〜5.8度上昇すると予測されています。
 温室効果ガスには、二酸化炭素のほかメタンやフロンなど6種類とされてます。とりわけ、二酸化炭素が温室効果ガス総排出量の大部分を占めるため、二酸化炭素の排出抑制が地球温暖化防止に効果的であるとされています。また、フロンなどの人工の化学物質は二酸化炭素より温室効果が強く、微量でもその影響が懸念されています。地球の温暖化は二酸化炭素やフロンなどが原因であり、これは人為的な活動に起因することは疑いの余地はありません。

 気温が1.4度上昇すると私たちにどのような影響があるのか、なかなか実感しにくい面があります。しかし、これまでの経験では、かってない猛暑だと言われた年でさえ平均気温は平年より約1度高かっただけです。このように、わずかな気温の上昇によっても大きな影響が現れてきます。

 温暖化が進むと、日本では、これまで食べてきた美味しいお米がとれなくなり、病害虫の懸念も増大します。漁獲量にも影響がでます。都市部ではヒートアイランド現象に拍車がかかり、海岸地域では砂浜が減少し、また、高潮や津波による危険地帯が著しく増大します。


 地球規模で見ると、海面が最大88p上昇して数多くの島々が海に沈みます。また、温暖化は異常気象を招き、農産物の収穫にも大きな影響を与え、国際相場が大きく変動します。とりわけ食糧の輸入依存度の高い日本への影響が心配です。

 温室効果ガスの排出は、大半が産業活動に起因しています。とりわけ二酸化炭素の排出は化石燃料を燃焼させるエネルギー需要に左右される面が大きく、このため、産業界における徹底した省エネやエネルギー転換などが進められ、これからもより積極的な対策が期待されます。政府はこうした活動を支援し、さらに自然エネルギー利用などを促進するため、経済的なインセンティブ(奨励金・補助金)の導入などを積極的に推進しています。

 一方、日本経済を根底で支えているのは私たち国民の一人一人であり、温暖化を防止するためには、私たちのライフスタイルを変革することが不可欠となります。できるだけ不要なものを買わず、大事にものを使い、再利用やリサイクルを心がけることは大変重要なことです。また、節電をしたり、外出時の車利用を自転車や公共機関に切り替えたりする努力も必要です。要は、生活の中でできるかぎり資源・エネルギーの無駄使いを排除し、再利用やリサイクルを推進し、化石燃料やプラスチック類の燃焼を抑制していくことが、循環型社会を構築し地球温暖化を防止する基本となります。


 以上簡単におさらいしましたが、地球温暖化は非常に重大な問題です。私もまだまだ勉強中ですが地球温暖化を議論するならば、このJCCCAのホームページぐらいは勉強しないと話にならないと思いますので、ぜひ検索してみてください。


 話を進めます。この地球温暖化の対策として1997年12月に、京都において 採択されたのが「京都議定書」です。
 「京都議定書」とは簡単に言えば、「地球温暖化を防止するための国際条約」です。
 議定書が採択はされましたが、批准する国が定数に満たなかったことが理由で未だ発効されていませんでしたが、今年11月18日、ロシアが京都議定書の批准を国連に正式に報告したことにより、京都議定書が来年2005年2月16日に発効することが決まりました。
 同日以降、京都議定書には法的拘束力が発生し、日本を含む批准国128カ国には同議定書の規定を履行する義務が生じることになります。

 京都議定書は、先進国による6種類の温暖化ガス排出量を2008〜2012年の5年間で1990年以下に削減することを定めています。
 国や地域ごとに異なりますが、日本の排出削減量は、1990年の排出量の6%削減することになっています。ただし、その削減目標を達成したとしても温暖化を防止することにはならず、進捗スピードを遅らせる程度であると指摘されています。
 本当の意味で地球温暖化を食い止めるには、さらなる努力と技術進歩が不可欠となります。

 日本においては1998年に排出量を削減するための国、地方自治体、企業などの責任と取り組みを定めた「地球温暖化対策推進法」が施行され、すべての自治体に温室効果ガス削減実行計画の策定が求められました。

 高萩市においても平成13年度、300万円の予算を立て、「高萩市地球温暖化対策実行計画書」を作成しました。
 この計画は高萩市の全ての事業を対象にし、平成18年度までに二酸化炭素の排出量を平成12年度より2%削減するという内容です。
 そして、具体的取り組み事項をあげています。
 ここでまず確認しますが、平成14年度からこの計画書に基づき取り組まれてるようですが、目標年度である18年度までの今がちょうど半分を過ぎたところであります。現在の取り組み状況から目標は達成されると見込まれるのかどうか所見をお聞かせください。


 実行計画書は計画書として、「京都議定書」の目標は全体の目標です。当然高萩市も例外ではなく2012年までに削減目標をクリアしなければなりません。
 日本全体の削減目標は6%ですが自治体・地域によって、または自治体の状況によって、削減率が変わり得るのかどうかわかりませんが、いずれにしても、1990年比6%削減するに越したことはないわけです。そこで伺います。

1,日本全体では現在は約7%1990年より増加しているようですが、現在の市の事業全体の二酸化炭素排出量はどれくらいで、1990年と比べてどうなのか?
 実行計画書にうたわれてる計画の基準年は2000年(平成12年)であるがそのまま基準年としていいのかどうか?

2,高萩市が「京都議定書」の目標数値を達成する数値は現在よりどの位の削減をすればいいのか?

3,その目標達成のために具体的取り組みの計画は「高萩市地球温暖化対策実行計画書」の変更を伴うのか?2012年までの別途計画書が必要になるのか?

4,これまで高萩十王事務組合で行ってきたゴミ処理が高萩市の事業になりました。
 現在は温暖化ガス排出物であるプラスチック類を不燃ゴミとして埋め立てしているので、温暖化ガスはさほど出していませんが、埋め立て処分することにより環境負荷がかかっていることを考えると好ましい処理方法ではありません。今後日立市や北茨城市のように焼却炉を導入した場合、ゴミ処理においての二酸化炭素排出量はどれくらいになり、市全体の排出量の何%になるのか?お答えください。

 また、以上ような現状を踏まえ、現実的に目標はクリアできるのか、展望または、意欲を示してください。




 2点目、平成17年度予算編成について質問致します。

 高萩市の財政は極寒期と認識しておりますが、そうした中にあっても省くことはできない施策があります。最重要施策は福祉分野と子育て支援に関すること、そして市民の安全、とりわけ子どもの安全を守ることであると思いますが、来年度予算編成に対する基本方針と姿勢をわかりやすくご説明ください。




<登壇2回目の質問>

 1点目の地球温暖化対策と循環型社会形成推進についてです。

 今回この質問を行う上で、新たに勉強するとともに、これまで、環境問題を含む地球温暖化対策と循環型社会形成推進に関わる問題として質問してきたことを再確認してみました。ざっと申し上げますと

◎平成12年6月と9月の議会一般質問では「3ゼロ社会」の中の「ゴミゼロ」の観点から循環型社会の構築が重要であることを取り上げています。

◎平成13年3月議会一般質問では「エコタウン」事業を参考に「地球温暖化対策」「環境ホルモン」「自然エネルギーの有効活用」「ゴミ処理場の付加価値」等提案してます。

◎平成13年9月議会一般質問では「エコタウン」の話を進めながら「バイオマス発電、太陽光発電、風力発電、雪氷エネルギー」など自然エネルギーの活用を取り上げております。その中で具体的事例として、神戸市ポートアイランドでのバイオマス発電施設を紹介しました。この施設は環境省の実験施設であり先日ゴミ処理対策特別委員会の中で資料を配らせていただきました。また後ほど触れます。

◎平成14年3月議会一般質問では「3ゼロ社会」と「エコタウン」の確認をしました。

◎平成15年12月議会一般質問では高萩市のゴミ処理の現状とダイオキシンの発生について、誤解と誤認識を覚醒し、市民に理解を求めました。そして、「自治体としてのゴミ処理の責任」「ゴミの減量化とリサイクル・資源化」「マイバック運動推進と支援」「不法投棄」「野焼き撲滅」「不法投棄監視員のあり方」等言及致しました。

以上6回に渡り一貫して訴えてきました。今回で7回目になります。

今回は地球温暖化対策と循環型社会形成推進についてさらに話を進めます。

 地球温暖化対策についての答弁をいただいたわけですが、二酸化炭素の削減について、今後の削減計画の参考になればとの思いで、例を挙げながら提案したいと思います。

 先ほど、これまで行ってきた質問の中に神戸市で行われた環境省の実験事業であったバイオマス発電を例にして考えます。
 その施設は1日6トンの生ゴミをバイオガス化し燃料電池で発電をする施設ですが、施設概要は
・施設面積=2800u(約850坪)
・建設費=5億円
・施設維持管理費、人件費別=年300万円
・発電量=500kWh/t(約一般家庭200〜300件分)
・最終残渣物量=重量比5%(メーカー公表値。実験施設において は実証値0,2%)

 環境省の試算では、生ゴミの処理費用は回収から人件費をあわせて、1トンあたり15000円程度になるということです。

 ここで言いたいのはこの施設がどの位地球温暖化防止の対策になるのかと言うことですが、
 まず、生ゴミを焼却しないので補助燃料が必要ありません。生ゴミはそのほとんどが水分なので補助燃料なしには燃えません。生ゴミは焼却温度も下げますのでダイオキシンの発生につながり、それを防ぐためにさらに補助燃料を必要とします。
 日立市のように24時間焼却でプラスチック類を補助燃料代わりに焼却すれば、重油などの補助燃料は必要ありませんが、プラスチックは石油から作られるので結局は重油と同じ補助燃料となります。ですので、生ゴミを焼却することは地球温暖化にはマイナス要因になります。
 ちなみに、重油1トンを燃焼させると約2.5トンの二酸化炭素が出ます。2.5倍になるんです。プラスチックもほとんど同じです。
 生ゴミを焼却しないことで二酸化炭素排出量は減らせるんです。
 では、燃やさなければなんでもいい、同じなのか。 
 例えば生ゴミを堆肥や肥料化すればどうなのか。難しい判断ですが、肥料にしてからの流通において、二酸化炭素発生の過程が出てきますのでマイナスになる可能性はあります。
 また、肥料にするための過程でも例えばボイラーを使ったり、堆肥化においてはエネルギー資源となるメタンガスを大気中に放出してしまったり、効率的とは言えません。
 決定的に違うのは発電すると言うことです。その発電量が約240件分と言うことは、高萩市の世帯数は現在約12000ですので、2%の電気の節約と考えられます。つまり、電気使用による二酸化炭素発生量のうち、一般家庭分の2%削減になります。

 高萩市地球温暖化対策実行計画書の数値を元に、高萩市の事業での電気使用による二酸化炭素排出量で考えると、その割合は実に約83%削減になります。
 現実的にはいろんな要素が重なって、この通りにはならないとは思いますが、先ほど示していただいたように、現在の市の事業から排出される二酸化炭素のうち45%がゴミ処理から排出されるとしたら、この削減がいかに大きいものか理解いただけると思います。

 さらに話を進めます。
 今示したようにゴミ処理での二酸化炭素排出量の削減ができても、京都議定書の目標には至りません。さらに上乗せしなければならないのです。
 そこでまたいろんな方策が考えられるのですが、現在不燃ゴミであるプラスチック類は、そのほとんどがリサイクルマークが付いています。つまり、リサイクルできる資源なのです。
 実行計画書の中の具体的取り組み事項として、ゴミの資源化・リサイクルを挙げていますので、これは徹底して推進するべきです。
 そして、市民の皆さまのご理解とご協力を呼びかけ、プラスチック類の分別収集を行えれば、市の事業だけの温暖化防止ではなく、市全体の温暖化防止対策になり、京都議定書の批准目標をクリアできるものと思います。
 問題は、生ゴミとプラスチックの分別ができるかどうかにかかっていますが、例えば市民の半数の方の協力がいただければ、その効果は火を見るより明らかでしょう。そのためにはゴミ袋の種類を2種類増やし、それぞれのゴミ袋の値段を調整するなど、市としての本気の取り組みが無ければ不可能だと思います。
 
 このように、循環型社会形成推進の理念がなければ地球温暖化を防ぐことは到底無理だと言うことを認識しなければならないと思います。今では小学生だって理解しています。

 あらためて、地球温暖化防止対策にかける意気込みとして、削減目標を達成する気があるのか無いのかをお聞かせください。