平成16年3月議会一般質問
 
少子化対策について
 
 先に通告いたしました少子化対策について、昨年9月に質問いたしました内容を踏まえながら、2点質問いたします。
 
 1点目は、乳幼児医療費助成制度の拡充についてであります。このことは、昨年8月28日に1万人を超える署名をもって提出された要望書に基づいての質問です。
 
 要望書の趣旨は、乳幼児医療費について、現在は3歳未満までの助成ですが、それを、小学校に上がるまで拡充してほしいとの内容でした。
 その要望書の解答書、また、昨年9月議会の私の質問に対する市長の答弁では、市の財政状況は大変厳しい状況ではあるが、少子化対策のためには非常に重要な施策であると考えている。ただ、現在の財政状況では就学前まで一気に拡充するのは無理かもしれない。段階的に前向きに検討させていただく。と、要約このような内容であったと理解していますが、私に誤解している点があったら指摘していただきたいと思います。
 
 というのも、今議会で提案されております来年度予算案を見る限り、乳幼児医療費の助成が拡充されてるとは見受けられませんので、疑問に感じているわけです。一方では国民健康保険税の実質値上げする議案が出ていることを見れば、やはり、財政的にはかなり大変な状況であることは理解に堅くありません。しかし、問題はかなり大きなものです。
 
 
 老婆心かもしれませんが、ここで少々お時間をいただき、いわゆる丸福と言われる制度について再確認したいと思います。
 
 乳幼児の医療福祉制度が始まったのは、32年前、1972年栃木県で1歳未満の乳児の医療費を、公費負担にする制度の導入が始まりであります。その背景には乳幼児を取り巻く深刻な状況がありました。
 当時、乳児(1歳未満)の死亡率は全国的に高く、栃木県でも1000人当たり14.5人という高い死亡率でした(72年当時)。事態を重視した同県は、「死亡率を引き下げるためには、早期受診と継続した治療が受けられる条件整備が必要だと判断し、制度をスタートさせました」
 乳児死亡率の高さは全国も同じであり、翌1973年には37の道と県で導入され、その後、子育て支援策としての時代の要請もあり、1994年までにはすべての都道府県が助成制度をつくり終えました。
 1歳未満が3歳未満に拡充されたのは、茨城県においては、1997年1月からです。その後は各自治体が競うように4歳未満から未就学までの拡充や、自己負担分を自治体が負担するなど、拡充されてきているところです。
 
 で、現在の茨城県内の自治体はどのような内容になっているか、県内83市町村を見てみると、3歳未満は県の基準ですので当然、最低でもこの線は下りません。4歳未満になってるのは16自治体。5歳未満が6自治体。6歳未満が5自治体。未就学までが11自治体。県基準以上の助成を行ってる自治体の合計は38自治体になります。そして、来年度からはさらに増えてゆくのは間違いないでしょう。
 
 となりの北茨城市も4歳未満までになり、日立市は、十王町との合併を控え十王町に併せる形で未就学までになる予算案が今議会に上程されております。
 考えると怖くなりますが、例えば石滝団地と伊吹台団地、太いとは言えない道路のこっちとあっちでは、乳幼児医療費の助成される期間が3年以上も差があります。これから子育てしようとしている若い夫婦にとってこの差はあまりにも大きいと思います。これから結婚して住居を探すとき、まず、高萩には決めないでしょう。それどころかどんどん高萩から出て行ってしまうんじゃないかと心配されます。少子化を食い止めるどころか、人口流出もかさみ、人口減少を加速さてしまうような気がしてなりません。 人口減少による悪影響は言うに及びません。話も長くなってしまいますので、こうしたことを踏まえていただき、高萩市の乳幼児医療費助成に対する現況と今後の取り組みの方針をご説明ください。
 
 
 
 
 2点目になりますが、子どもの安全と子育て支援について質問いたします。特に小学校児童に関わる内容であります。
 この件については、公明党高萩支部女性委員会が主体となり、今月10日に、6303名の署名を添えて要望書を提出したところでございます。
 内容は、昨年9月議会の一般質問で取り上げた少子化対策に関する3つの法律の中の、次世代育成支援対策推進法に深く関わってくるものと考えます。その時の質問に対する答弁の通り、来年度は行動計画を策定するための予算も上がっていますし、現在はアンケート調査も行っていると聞いております。
 
 具体的にお聞きする前に、この要望書に至った背景を説明しておきたいと思います。
 まず、問題というか不満というか、何とかならないかと浮上したのが、学童保育、児童クラブの現状であります。
 高萩市の場合、児童クラブは民間保育園に委託しているのが現状ですが、まず、児童クラブの場所が小学校から離れた場所にあるところに矛盾が生じております。児童クラブに通う子どもたちの家庭は共働きのところがほとんどだと思いますが、家に帰っても誰もいないので仕方なく預けてる場合もあるでしょう。ただ、学校から自宅に帰るよりも、児童クラブの場所の方が遠い子もいます。または、家の方向と全く逆の方向になる子もいます。そして、児童クラブまでの移動中の安全を考えると、小学校の敷地内に児童クラブがあるのが一番いい。
 日立市では全学校が学校内で行っています。
 
 また、保育料の問題もあがっています。高萩市の場合、月額5000円から7000円くらいですが、若い親にとっては、かなり大きな負担です。
 保育料の関係で児童クラブに預けることが出来ないで、結局、子どもを家に一人でぽつんと待たせている家庭もあります。
 日立市では年間500円の保険料と月額1000円くらいのおやつ代で済んでいます。このふたつの疑問がきっかけとなり、調査を続ける中で今回の要望に至りました。
 
 この要望の趣旨の目玉は、先頃、文部科学省が打ち出した「子どもの居場所づくり新プラン」に則した事業としながら、児童クラブの役割を兼ね備えての事業の展開であります。そして、子どもたちを凶悪犯罪や交通事故から守るために最小限の支援を求める内容になっております。
 ただ、片や福祉事務所所管の事業であるし、片や教育委員会・学校の所管も関わるという内容ですので、いっしょくたには行かないのかもしれませんが、そこはそれ、教育特区を申請した市として誇りある対応を期待するところであります。
 以下、要望書の本文を読ませていただき、その内容を持って質問としますので、要望書に対する回答となるようにお考えをお聞かせください。
 
 
 
子どもの安全と子育て支援を求める要望書 
 
 昨今の社会事情を見るとき、青少年の問題行動の深刻化、地域や家庭での教育力の低下に加え、子どもたちにかかわる重大事件の続発など、心配が絶えません。
 安全で安心できる「子どもの居場所」を確保してほしい|。
 そうした願いにこたえる形で、文部科学省は平成16年度から3カ年計画で、全国の学校で放課後や休日に、地域の大人たちの協力を得ながら、安全な子どもの居場所を確保する「子どもの居場所づくり新プラン」を実施することになりました。
 高萩市におきましても、速やかに事業を導入するとともに、凶悪犯罪や、交通事故から子どもを守るため、また、少子化対策の一助になることを願い、表記について、次の内容を署名を添えて要望いたします。
 
 一、「子どもの居場所づくり新プラン」に基づき、放課後や休日の学校開放事業で、安全で安心できる「子どもの居場所づくり」を推進し、「地域子ども教室推進事業」を展開実施されたい。
 
 一、学童保育については、次のことを踏まえ、「子どもの居場所づくり」事業と併用しながら拡充されたい。
    ・保育場所までの移動を無くし、移動時の事故や事件等の未然防止のため、保育場所に空き教室を利用する。
    ・対象学年を6年生までに引き上げ、休日保育や一時預かり保育などニーズにあった保育の実施や保育料の軽減をはかる。
 
 一、新入学時にランドセルといっしょに携帯型防犯ブザーを無償配布されたい。
 
 一、通学路の安全対策、整備工事は最優先事業として推進されたい。
 
 要望書は以上。ご回答よろしくお願いいたします。
 
 以上で質問を終わりますが、このふたつの要望に関する署名数をどのように捉えるのか、署名をされた方に伝わるようにご答弁いただけますようお願いいたします。