平成15年度12月定例議会一般質問
 
「3ゼロ社会について」
 
1.ゴミゼロについて
2.ムダゼロについて
3.エゴゼロについて
  
 
 改選後、初めての定例議会、一般質問に先立ちまして一言ごあいさつ申し上げます。
 先の市会選におきまして、私も再び市民の皆様に信任を賜りました。
 与えられた責任と使命を果たすべく、議員活動、議会活動を進めて参ります。
 現在の高萩市の状況はとても厳しい状況にあることは誰もが認識しているところでございますが、この廊壁を打ち破らんと、皆様とともに一丸となって取り組んで参りたい。
 そして、我が高萩を、良識のうえに生活できる安心して暮らせる街に、まじめな人が報われる健全な街に、笑顔が絶えない夢と希望あふれる街にしてゆくため、前期に引き続き、全力で取り組んでゆく決意です。皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
 それでは通告致しました「3ゼロ社会」について質問致します。
 この3ゼロ社会については前期任期中に何度も質問させて頂きました。「3ゼロ社会」の実現は私の政治理念、政策目標であります。
 現在の高萩市の状況を打開するために、根本になる理念と確信しておりますし、また、3ゼロ社会の実現は現状打開にとどまらず、先ほどの挨拶で申し上げた「安心して暮らせる街」「健全な街」「夢と希望あふれる街」を構築してゆく中核的政策理念になりうると確信しております。そして、3ゼロ社会の実現は理想を追求する哲学です。哲学無き政策は無秩序しか生みません。その現状が今の高萩市であると思いますし、今の日本だと思っております。 私は一市議会議員ではありますが、このことを叫び続けていこうと思っております。
 では、「3ゼロ社会」とはどういう社会なのか。これまで何度も説明してきていますが、あらためて簡単に説明したいと思います。
 
 「3ゼロ社会」というのは「ゴミゼロ」「ムダゼロ」「エゴゼロ」の三つのゼロを兼ね備えた社会を意味しています。
 「ゴミゼロ」とは、環境問題、エネルギー問題、雇用創出問題につながる循環型社会の構築であります。循環型社会についてはいうまでもありません。言葉自体は社会に定着してきているところだと思います。私が以前に議会で取り上げた「エコタウン構想」もこの「ゴミゼロ」政策の一環でした。残念ながら消極的に受け止められたようですが、あきらめたわけではありませんので、これからも取り組んでいこうと思っております。
 
 「ムダゼロ」とは、行財政改革を推進し、税金の無駄遣いを無くし、行政の効率化をはかり、合わせて、市民サービスの向上と行政の質を高めてゆくことです。
 
 「エゴゼロ」とは、自助・公助・共助のバランスのとれた社会を目指すことです。また、人権問題や、公職にある者の特権の見直しなども含んでおります。
 
 この三つのゼロはそれぞれ別のものではなく、兼ね備えて初めて価値を生んでゆく街づくりと考えております。また、具体的な施策の評価基準に用いることも可能であるし、実際に私はそうしてきました。
 以上、簡単ではありましたが、説明は終わりにして、具体的に質問に入らせて頂きます。 質問形態としては、三つのゼロを3項目として、10点について質問致します。 
  
 
 
 1番目、「ゴミゼロ」について伺います。
 
 1点目、現在の高萩市はゴミ処理場がありません。一般家庭可燃ゴミについては日立市に委託しております。事業系可燃ゴミに関してはひたちなか市にある民間産廃業者に委託しております。埋め立てゴミに関しては北茨城市の民間産廃業者に委託しております。また、市内にはリサイクル工場はありません。つまり、市内から出るゴミの一切は市外へと持ち出しているのが現状ですが相違ありませんか?併せて、自治体におけるゴミ処理の原則を述べてください。
 
 
 2点目、市民の皆様のご協力によりゴミの分別が徹底されていますが、再生資源の分別によって、いわゆる焼却・埋め立てするゴミそのものは以前と比べれば確実に減少しているように見えます。そこで伺いますが、再生資源で出されたものの再生率と再生にかかる経費を教えてください。
 また、今後ゴミ処理にかかる経費は増大する見込みと聞いておりますが、もしそうだとするならば、さらなるゴミ減量化をしなければならないと思いますが、その方策の考えがあるのかどうかお答えください。
 また、ゴミ減量化の一環として市民運動で「マイバック運動」を推進している方たちがいらっしゃいますが、その運動に対して市の取り組みの状況と今後の対応、そして、支援する考えがあるのかどうかお答えください。
 
 
 3点目、昨年10月からのゴミの有料化に伴い、産廃のみならず、一般家庭ゴミの不法投棄問題が市内あちこちで聞かれます。市の対策としては不法投棄監視員を増員するなどの対応をしておりますが、その効果と実績をお知らせください。
 
 
 4点目、不法投棄ともう一方では自家焼却の問題があります。いわゆる野焼きや簡易焼却炉を用いた家庭ゴミや事業者ゴミの自家処理焼却ですが、一部を除き法律では禁止されていますが、市としての対応はどのようにしてるのかお答えください。ちなみに、ドラム缶や一斗缶などで普通家庭ゴミ100キロを燃やしたときのダイオキシンの発生量はどの位になるのか、またその量は日立市の焼却場と比較した場合、どの位の比率なのかわかりやすく示してください。例えば、家庭ゴミ100キロをドラム缶などで燃やした場合に出る量は何グラムで、この量を日立市の焼却場(1日処理量200トン)から排出される量の何分の1である。時間量に直すと何時間分になる。というようにわかりやすくお願いします。
  
 
 
 2番目、「ムダゼロ」について伺います。
 
 1点目、「ムダゼロ」を考えるうえで非常に重要になってくるのが行政評価制度です。これまでも提言と要望をしておりますが、行政評価制度の導入について、おさらいしたいと思います。
 行政評価制度の導入の理念および目的としては、
(1)「厳しい財政事情」に対応するため、「行政資源配分の現状把握と適正化」に活用するためのものであり、
(2)「市民本位、市民サービスの向上」を基本理念に、「行政側の説明責任の確保」、「自己改革の手段」として活用するためのものであると考えられます。
 言い換えれば、市民から信頼を得られる「市民サービスの向上」とともに「暮らしやすいまちづくり」を行っていくために、政策・施策・事務事業を再構築し、将来の事業の組み立てや優先順位付けを行い、市民にとって分かりやすく透明性の高い行政運営の実現を図るものであります。このことによって市民に正しい行政情報が伝わり、「市民と行政の共通認識」を生み出し、「両者の協働」によるまちづくりに結びついていくと考えられます。
 
 また、この制度の最大の特徴としては、自治体及び職員自らが評価制度において「企画・実施・評価」のサイクルを組み立て、分析・考慮することによって、行政内部からの体質改善を行うことができるものであり、また、従来の行革大綱における事務事業の見直しの方法とは異なり、毎年のマネジメントの過程で常にリンクし、レベルアップしていくことができる制度であると考えられます。
 このようなことから、「市民本位、市民サービスの向上」のための行政改革を目指す手段として、行政評価制度の構築・導入にむけ取組んで行くべきものと考えておりますが、これまでの取り組みの現状と今後の予定を教えてください。
 
 
 2点目、行財政改革には欠かすことの出来ない国の施策でもあるIT推進・電子自治体の構築に関して、現況と今後の予定を教えてください。
 
 
 3点目、埼玉県志木市になどに見られる行財政改革のための、行政パートナー制度に対する見解をお聞かせください。
 
  
 
 
 3番目、「エゴゼロ」について伺います。
 
 1点目、まず、地域住民が互いに助け合いながら生活してゆくには、良心による自発的な地域友好活動が必要です。例えば、一人暮らしの高齢者の方の手助けをしてあげるとか。独居高齢者にとっては、ゴミの分別やゴミを出す作業でさえ大変な思いをしているのが現状です。そういう方に対して、地域の方が力になってゆければいいなあと思うのは私だけではないと思います。そういう思いで行動するときに生活上の問題とかにぶつかります。そんなときに頼りになるのが、相談窓口だと思いますが、今挙げたような友好活動や親切行為に対応できるようにしてはと思いますがどうでしょうか?
 
 
 2点目、人権問題である男女共同参画社会の実現にむけての取り組みとして、「ハーモニー高萩」を立ち上げたことについては評価できますが、予算の数字を見る限り市としての姿勢が消極的すぎるように思えます。また、「ハーモニー高萩」の役割は今後ますます重要になってくるということを認識しているんでしょうか?現在の考えをお聞かせください。
 
 
 3点目、現在、助役・収入役・教育長の3役が欠員状態で何ヶ月も過ぎておりますが、何か考えがあってのことなのでしょうか?わかりやすく説明してください。
 
   
 
 
 
(2回目登壇)
 再度質問致します。「ゴミゼロ」について、1点目、答弁頂きましたとおり、高萩市内のゴミは一切市内では処理してないということで、しかも、原則からは全く踏み外している状況だということは、自治体としての責任を果たしてないということで、これはとんでもなく大きな問題です。よくよく考えなければなりませんが、例えば今後合併を視野に入れて進んでゆくのは必定のことですが、現在はまだ単独自治体なのです。これから先、近隣の自治体と話し合ったり交友関係を保っていくためには、自己責任を全うしていることが最低条件じゃないでしょうか?お金で解決するものでしょうか?今の高萩市にはお金もない。
 今回の議会は改選後初めての議会です。今が最大のチャンスです。執行部のみならず、私達議会も一丸となってこの情けない事態を、せめてお金はなくても、一自治体として自立することが急務であると思います。私は今日この場で皆さんに呼びかけます。がんばりましょう。
 
 2点目、ゴミ減量化の問題は、行政の啓蒙努力はもちろんですが、市民の皆様の協力がなければ大きな進展は現れません。市民の皆様のご理解をいただけるよう、お願い申し上げます。また、商店の皆様にも、行政から働きかけ、極力ゴミが出ないよう経営努力を呼びかけて頂きたいと思います。
 
 3点目、不法投棄の問題ですが、一定の効果はあるようですが、さらに不法投棄防止のための体制を強化しなければならないと思います。出来うることはやるにしても、単に監視員を増やせば事足りるものなのかどうか、これまでのデーターをよく分析して、ムダの無いようにお願い致します。
 
 
 4点目、野焼きや簡易焼却炉での焼却ですが、とんでもない驚くべき数字です。
 約7万5千倍。燃やす物や条件で変化することですので、一概には言えないとは思いますが、私も計算してみました。東京都環境科学研究所の資料を基に計算した場合、約2000倍〜20万倍になります。一般家庭ゴミならば、おそらく75000倍という数字はあながち間違っていないと思います。ただ75000倍といってもピンとこないので、もっとわかりやすくざっと計算してみました。
 日立市の焼却炉は1日処理量200トンとして、100kのゴミの野焼きは2000分の1の量になるので、実際にダイオキシンの出る総量は37.5倍になります。これは、100kのゴミを野焼き又はダイオキシンを除去する装置のない焼却炉で焼却すると日立市の焼却場が37.5基、家の前で稼働していることと同じです。ゴミの量にして7500トン分です。ちなみに、日立市の焼却炉と同じになる量は約2,6キロです。よく見かけていた一斗缶でゴミを燃やす風景。あれで日立分のダイオキシンが出てるんです。また、規制値が5倍ゆるい1日処理量100トン未満の焼却炉と比較すると、1500トン分と同じになります。たった100キロのゴミですよ。軽トラックで3分の1以下の量です。
 言っておかなければなりませんが、じゃあそのダイオキシンの量が危険な量なのかどうか。まだ、はっきりした結論は私にはわかりません。しかし、危険性があるということは共通の認識になりつつありますし、危険じゃないとしても、野焼きによる煙や臭いが不安や迷惑になっているのが現状なのですから、行政としては本腰を入れて違法焼却を無くす努力が必要だと思います。警察の取り締まりの対象になっているのですから、事件になる前に、周知徹底をはかるべきと思いますが見解を伺います。



 
 2番目、「ムダゼロ」について、1点目の行政評価制度、2点目のIT推進については、私が以前議会で取り上げたときの要望に、施策を進めるにはプロジェクトチームを設置して取り組むべきと申し上げておりました。未だ設置されないまま進行しているようですが、このままいけば効率的な推進は望めそうにないと思います。ムダが多くなるばかりだと思います。一刻も早くプロジェクトチームを設置するよう要望致します。口で言ってるばかりでは仕方ありませんので、とりあえず、私も独自にプロジェクトを立ち上げます。今後は議会以外でもどんどんぶつけたいと思いますのでよろしくお願い致します。
 
 
 3点目の行政パートナー制度はワークシェアリング同様、真剣に検討頂けるよう要望致します。(必要ならば志木市の例を挙げる)
 
  
 
 
 3番目の「エゴゼロ」について、1点目、共助という意識を育てることが大事なわけですが、今、日本の各地で「ふれあい運動」が起きています。地域によって内容はいろいろですが、共助の心が基本になっています。先ほど申し上げた相談窓口といっても具体化しにくい面もあると思いますので、「ふれあい運動」推進窓口というのはどうでしょうか?
 
 
 2点目、来年度の予算に期待しております。さらに、男女共同参画社会の実現推進と平行して、幅広い女性政策事業の展開を期待するものであります。