平成13年(2001年)3月定例議会 一般質問全文

1.「3ゼロ社会」実現について
2.エコタウンについて


<登壇1回目>
 私は先に通告いたしました2点について質問いたします。
● まず、昨年6月と9月の定例議会で質問いたしました、「3ゼロ社会」についてお聞きします。
 昨年6月と9月の私の質問・要望に対して、執行部の答弁は、「大変重要だ。前向きに取り組み、努力する」旨の話でしたが、そのことがこの定例会に提出されている13年度予算にどのように反映されているか、具体的に示してください。
すなわち、ゴミゼロに向けて、こういう予算をたて、このようにします。ムダゼロに向けてこうします。エゴゼロに向けてこうします。というように明快にお願いいたします。

● 次に、エコタウンについて伺います。
 ご存知のようにエコタウン事業は政府予算の国の事業ですが、平成9年から始まって、現在では13地域の承認がされ、事業が進んでおります。さらに、全国内多数の自治体が名乗りを上げ、競うように計画を立てている状況です。
 我が高萩市においては、第3次総合計画もできあがり、施策の6本の柱があるわけですが、その中にも「自然と共生する安全なまち」とあるように、環境問題をさしおいて市政は成り立たない。というより、積極的に環境問題に立ち向かい、施策の中心でなければならない状況だと思います。
 第3次総合計画の施策の重要な要素として、そういう目的・目標の上にあると思いますが、今はまさに、重大に真剣に取り組まなくてはならない課題になっております。
 エコタウン事業は他の施策においても全くかけ離れたものではなく、総合計画全般にわたり大変有効性があると考えられます。
 高萩市の豊かな自然を生かし、観光に来てもらう。また、喜んで住み着いてもらう。さらには、新しい企業誘致、雇用も生まれ、まさしく、21世紀型事業と言えるのではないでしょうか。
 角度を変えてみます。
 第3次総合計画の基本構想に、高萩市の将来像として「げんき・やるき・かがやきのあるまち〜高萩〜」とありますが、今ひとつ見えてこない、想像できないように思え、この私たちの高萩市という町は、大変ちぐはぐな魅力のある町とは言えない、好んで高萩に住もうとは思われない町になってしまうのではないかと思われるわけです。
 その理由は何だろうと自分なりに何度も総合計画を読み返してみました。確かに総合計画は大変すばらしいものです。
 ですが、高萩市の総合計画を進めるにあたって、一貫した施策方針、理念が見え隠れしていて、つかめないのが原因ではないかと思えてきました。
 執行部のみなさんは大事に隠し持っているのでしょうか。それともみなさんが自分でもっているものに気がついていないのでしょうか。
 3月7日付の茨城新聞の記事を見て、やっぱりそうかと確信に近づいております。
そういう意味からも、このエコタウン事業を検討されてはどうか。幸いといいますか、近年、環境問題が非常に大きな関心事になっていることを考えますと、全くタイムリーと言えると思いますし、その胸のうちにつかえたものを是非ともお聞かせいただきたいと思います。見解をお聞かせ下さい。



エコタウンについて

エコタウンを議論する上で、環境問題を考えなくてはならないのは、言うまでもありません。この環境問題については、今日ではほとんどの人が世界中で憂慮する問題になり、多くの研究がなされてきておりますし、その情報もたくさん得られるようになってきています。また、多くの人の共通意識として概念化してきていますので、この場では2点についてだけ確認させていただきたいと思います。
 まず、地球温暖化について、13年度予算の中にも計上されましたが、その原因と問題をどのように認識されているでしょうか。
 また、地球温暖化防止対策として、国会でも議論されている自然エネルギーの有効利用に関して、高萩市でも取り組めるもの、国や県の補助を受け、その制度を生かせることはありますか。
 もう1点は、98年頃から取り上げられている、環境ホルモンについてであります。この環境ホルモンの研究はまだまだ日が浅く、ほとんど解明されておりませんが、分かってきていることだけを見ても、人類存亡に関わる問題とされております。
 その中でも注目したいのは、今や社会問題になっている、青少年の凶悪犯罪や、児童虐待、子育て放棄、多動児、いじめや不登校なども環境ホルモンの影響があるようだとも言われてきています。実際、マウス実験によってそういった報告が出てきているようです。
 そうなれば、もはや、刑法の見直しや、教育改革だけでは解決できない、恐ろしい問題になり得ると思いますが、「そんなことは心配しなくていいとか、それは大変な問題だとか、」ここに出席されておられる施行部席側におられる方全員に、ご意見をお聞きかせ頂きたいと思います。


<登壇2回目>
 ほとんどの人が環境問題を少なくても意識しているのですから、エコタウン事業について、是非ともご検討下さるようお願いいたします。
 ただ、そうはいってもなかなか簡単に進められるものではないとも、想像がつきます。ま、ですから市長、どうでしょう。「エコタウン宣言」なるものを出せないものでしょうか。豊かな自然を表に出している高萩市にとって、打ってつけだと思うのですが、どうでしょうか。
 そして、何をやるか、現時点で考えられる例を挙げたいと思います。
 例えば、懸案になっている「グリーンタウンてつな」をモデル地区として、全世帯、太陽光発電設備や太陽熱温水器、生ゴミ処理機を助成し、付加価値をつけることによって販売促進する。ITも付け加え、高速通信網も整備できればなおすばらしい。もちろん、計画が出てきた総合病院や市営住宅もそういった設備を備え、文字通り「グリーンタウンてつな」になれば、おもしろいと思います。
 また、赤浜工業団地には環境関連の21世紀型企業を誘致することも簡単ではないでしょうけども、「エコタウン宣言」をすることで注目されるのではないでしょうか。また、条件が合えば、風力発電を備え、バイオマスエネルギー設備も導入できれば、かなり目立つと思います。

 子供じみた発想かもしれませんが、ある意味でエコタウンということは付加価値的なこととも思います。しかし、おもしろいと思った例がありますので、紹介させてください。それは、テレビでも紹介され、ご存知の方も多いと思いますが、大阪の舞島に建設しているゴミ焼却場のことです。この焼却場は、世界的に有名な芸術家フンデルト・ヴァッサー氏がデザインし、この4月に完成するものです。フンデルト・ヴァッサー氏は今年2月に逝去されました。ちなみにデザイン料は6千万円。ここに視察・見学に来る人は行政関係者だけではなく、建築関係や芸術関係、文化人一般人と、見学できるように解放してから、半年ぐらいで、すでに5500人を超えているとのことです。
 普通ゴミ処理場は嫌われる存在ですが、この処理場は今や観光の目玉となりつつあります。次元は違いますが、穂積邸が完成してどのくらい見学者が来るかを考えると、付加価値をつけるやり方によっては、思いも寄らぬ効果が出ると考えさせられます。
 話をまとめたいと思います。エコタウンの考え方は、単に環境問題だけの話ではなくて、これからの社会のあり方、将来像として見ることができると思いますし、決して歴史的文化遺産を否定するものでもありません。むしろ、昔は自然と共生していたことを思えば、文化を活かしてゆくことではないでしょうか。
 「3ゼロ社会」の実現においても全く別のものではありません。第3次高萩市総合計画とも合致するものと思えてなりません。
 高萩市は小さな町ですが、小さいからこそできるものもあります。小さくても、日本ばかりじゃなく、世界をリードしゆく町にだってなれると思うのです。
 私たちは、未来に何を残そうとしているのか、今、21世紀新世紀の初めに、もう一度考えてみるときではないかと思います。
 最後に何かお話しいただければと思います。
 これで私の一般質問を終わります。